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真姫「水無月の 夜雨に散りゆく 深縹」 [無断転載禁止]©2ch.net

1 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:14:56.75 ID:aOpM2l/I
代行

2 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:32:16.19 ID:aOpM2l/I


3 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:32:36.09 ID:m+EceL8Q
スレ立てありがとうございます

4 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:37:36.21 ID:m+EceL8Q
真姫「中学で数学を教えていた」

真姫「先生先生と慕ってくれる子どもたちは本当に可愛くて、成長を見届けることが楽しみだった」

真姫「しかし…」

真姫「突然、気がついてしまった」

真姫「私は人を育てることには向いていなかったことに」

5 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:44:44.84 ID:m+EceL8Q
真姫「いつの間にか教員を辞めていた」

真姫「どんなことを言って辞めたかは覚えていない」

真姫「公務員が退職することは非常に難しい。無茶をしたのだと思う」

真姫「そして、いつの間にかメンタルサポートの仕事を始めていた」

真姫「性格に一癖ある自分にはどう考えてもまだ教員の方がマシなはずが」

真姫「意外にもやり甲斐を感じている…」

真姫「このままずっと続けるのもありだろう、なんて…」

6 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:49:43.82 ID:m+EceL8Q
真姫「帰宅の時間は割と遅い」

真姫「大抵電話で対応の仕事な故に長引くことが多いからで」

真姫「遅くなった帰り道は無意識のうちにかつて自分が教えていた中学生くらいの年の子どもを探してしまう」

真姫「補導対象になる子の1番多い年頃だからだと思う」

7 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 02:59:40.71 ID:m+EceL8Q
真姫「6月、梅雨も酣の夜雨の帰り道」

真姫「その日も目を泳がせていた」

真姫「ふと、公園が目に映ったその時に…心臓がきゅっと掴まれるようなほどの驚きと緊張が走った」

真姫「藍色の着物を着た、綺麗な長髪の女の子が、蹲って泣いていた」

8 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 03:07:05.22 ID:m+EceL8Q
真姫「どうしたの?こんなとこで傘もささずにいたら風邪引くじゃない!それに夜中よ?」

海未「家に帰りたくないです」

真姫「どうして?ご両親も心配してるわ」

海未「父が他界し、母は日舞の先生を辞めざるを得なかったのです。その後お金が…無くて…母が…水商売に…うっ…うっ…」

真姫「と、なるとあなたのお家には今誰もいないってことになるわね…仕方ないからうちに来なさい」

海未「ですが…びしょ濡れです」

真姫「そんなことどうでもいいの!」

真姫「来て!」

海未「はい…」

真姫(こういうぶっきらぼうな物言いが私の悪い癖だ…)

9 :名無しで叶える物語(湖北省)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 03:12:58.22 ID:fUsqoPJ2
真姫ちゃんの方が年上ってなんか新鮮

10 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 03:22:07.63 ID:m+EceL8Q
真姫「夏に近づいたとは言っても寒いでしょ?紅茶淹れたから、飲みなさい」

海未「………」

真姫「あ、もしかして飲めない?」

海未「いえ、いただきます」

海未「温かい…」

海未「うっ…うう…」グスン

真姫「どうしたの?なんでもいいから、あなたのことを聞かせて」

海未「私には…居場所がないのです」

真姫「…学校は?」

海未「行きたくないです」

真姫「どうして?」

海未「みんな、私を見ては売女の娘だの、汚いだのと言い、暴力を振るいます」

海未「そして最後には必ず服に鋏を入れられるのです…」

真姫「私服登校制なのね…それで着るものがないの?」

海未「はい…これが、最後の1着です」

真姫「お母さんが買ってくれたの?」

海未「はい…小さい頃に言われました。いつか大きくなったらこれを着て踊り、立派な大和撫子になるのですよ、と…」

真姫(なんて声をかけてあげようか)

真姫(今まで関わってきたどの子よりも、重い…)

11 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 03:30:03.18 ID:m+EceL8Q
真姫「久しぶりに徹夜で仕事ね」

真姫「疲れたとか言っていられない」

真姫「この子は、私がなんとかしなければいけないから」

真姫「誰も、手を差し伸べてくれないから…」


真姫「今日はもう遅いからここで寝なさい」

海未「いいんですか?」

真姫「当たり前じゃない。ほら、おやすみ」

海未「おやすみなさい…」

真姫「泥のように眠った…よほど疲弊していたのね」

真姫「さて、私は今からが本腰入れての頑張りどころか、よし」

真姫「あ、まだこの子の名前聞いてなかった…」

12 :名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 03:57:27.78 ID:aOpM2l/I
なかなかヘビーだな…

13 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:05:24.63 ID:m+EceL8Q
真姫「悪いけど鞄開けさせてもらうわ」

真姫「連絡先載ってるのは…あった、不幸中の幸いね」

真姫「とりあえず朝イチで欠席の連絡入れなきゃ…」

真姫「園田海未ちゃんね…名前は覚えたわ」

真姫「これテストかしら…」

真姫「…‼」

真姫「ほとんど満点じゃない!」

真姫「やっぱり根はすごく真面目なのね…」

14 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:14:23.52 ID:m+EceL8Q
真姫「着物ってどう干せばいいの…」

真姫「一応乾かすだけ乾かしておいて、海未に聞かないと」

真姫「さて、まず親に連絡…」

真姫「………やめた」

真姫「あの子が嫌がっているのに私が勝手に介入しては駄目ね」

真姫「と、するともうやることないわね」

真姫「私も寝るわ」

15 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:33:36.93 ID:m+EceL8Q
真姫「園田海未の叔母ですが…熱が出たため本日海未はお休みさせていただきます」

事務「わかりました、お大事にしてください」

真姫「失礼します」ガチャ

真姫「…冗談でもこんな嘘つきたくなかった」

真姫「仕方ないか、この子のためだし」

海未「おはようございます」

真姫「あっおはよう。もう学校には欠席の連絡したから、もっとゆっくり寝ていてくれていいわ」

海未「ですが、もう目が覚めてしまいました」

真姫「そ、ならいいわ。朝ごはんにしましょ」

真姫「…どうしたの?」

海未「なんだか、朝ごはん食べるの久しぶりだと思って…」

真姫「…当たり前が当たり前でなくなることは、何よりも怖いわ」

真姫「こんな話しながら食べても美味しくないわ。パンとごはんどっちにする?」

海未「えっと…パンで」

真姫「わかったわ。ちょっと待ってて」


真姫「勝手にバターにしたけどいい?」

海未「もちろんです」

海未「いただきます…む、美味しい…!」

真姫「そ、そんなに喜んでくれるなら私も嬉しいわ」

海未「初めて食べました!焼きたてのバタートースト…美味しいです!」

真姫「普段ごはんなの?」

海未「はい、前までは…最近は朝ごはん自体がないので」

真姫「っ…そう」

16 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:36:25.23 ID:m+EceL8Q
海未「何をしているのですか?」

真姫「メール読んでるのよ」

真姫「私、こう見えてメンタルケアが仕事だから」

真姫「今日シニヤます

17 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:43:09.97 ID:m+EceL8Q
途中送信してしまったためもう一度

海未「何をしているのですか?」

真姫「メール読んでるのよ」

真姫「私、こう見えてメンタルケアが仕事だから」

真姫「今日死にますってストレートな内容が来ることもあるわ」

海未「そういう時はどう返しているのですか?」

真姫「死んだらみんなに忘れられてしまう、私にも。でも、生きてさえいれば、少なくともあなたの家族と私は決して忘れない、って言ってるわ」

真姫「こうして踏み止まってくれる子が大半なんだけど…」

真姫「20人に1人くらいは…自殺しちゃうわ…」

海未「………」

真姫「海未は…どうしたい?死にたいと思う?」

海未「私は…死にたいとは思いません」

真姫「ならよかったわ」

18 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 04:53:48.03 ID:m+EceL8Q
海未「あの…」

真姫「何?」

海未「なんて呼べはいいですか?」

真姫「んー真姫先生でいいわ」

海未「先生、やることがありません」

真姫「そうね…今から海未用の服買ってくるから、そこのパソコンで自分の気になることを調べておいて。操作はわかる?」

海未「わかります」

真姫「帰ってくるまでの課題ね。あっサイズはMでいい?」

海未「はい、お願いします」

海未「気になること…」

19 :名無しで叶える物語(たこやき)@無断転載は禁止:2017/06/13(火) 05:18:48.34 ID:m+EceL8Q
真姫「ただいま。人の服なんて選んだことなかったから地味なものにしたわ」

海未「すいません、3着も…」

真姫「別にいいのよこれくらい。それより調べた?まとまったら見せてよ」

海未「あ、はいっこれです」

真姫「どれどれ………⁉」

真姫(一枚の紙に書かれた彼女の世界)

真姫(中央に書かれた全ての始まりは、愛、だった)

真姫(そして愛から派生し、絆や仲間といった関係性から、つくるという言葉が派生し産業にも根を伸ばし、最後は…アイドル…?)

真姫(まだ10数年しか生きていない少女が創り出したとは思えない程盛大な興味の連鎖)

真姫(網状に広がる形で書かれた彼女の世界は、まさにネットワークそのもの)

真姫(この歳でここまで理解しているとは…これが所謂天才ってやつね…)

海未「どうですか?」

真姫「私の想像を遥かに超えた内容で驚いたわ…これ、取っておいていい?」

海未「恥ずかしいですが…いいですよ」

真姫「こんなに書いてくれたのに悪いけど、一つに絞れるかしら」

海未「一つ…難しいです」

真姫「アイドルは?」

海未「あっ…もぅ、恥ずかしいです!」

海未「じゃあ、アイドルで…」

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